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≪死ぬ時に心に起きる変化≫

人間は死に直面してどのような心の変化が起きるのでしょうか。

鎌倉円覚寺管長・横田南嶺さんの興味深い文章を紹介します。

どん底の景色を見ると

  真の慈悲心が生まれる ☆

横田 南嶺(鎌倉円覚寺管長)

※『致知』2017年4月号【最新号】

※連載「禅語に学ぶ」P112

知人の漢方医で、多くの人の臨終を見てきた方がいらっしゃる。

先だって対談をして、人が死に直面してどのような心の変化が起こるかを教わった。

まず、男女の欲望が消えてしまう。

男女という概念も薄れてゆくらしい。

更に、お金や財産などに対する執着が消えてゆき、

名誉などへのとらわれも無くなってゆく。

そこで、身内に対する思いがわき起こるという。

家族に会いたいという思いだ。

それを抜けると、最後には吹いてくる風や日の光など

大自然に対する思いが残るのだと教わった。

最後に大いなる大自然の、吹く風や射し込む光に触れると、

人はこの大いなるいのちに帰ってゆくのだという安らかな気持ちになれるのだ、

と言われた。

 

宮沢賢治は、肺の病で三十七歳の生涯を終えられている。

熱心な仏教徒であったことはよく知られている。

病の床にあって「疾中より」という詩を残されている。

床に伏せって血を吐き、苦しんでいる様子を詠いながら、最後にこう結んでいる。

「あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが

わたくしから見えるのは…… 

※誰にでも訪れる「死」。

 それを迎えるための心の姿勢を 横田さんは伝えてくださいます。

感謝でございます。

                   高橋利幸